2023.11.10おかね

マンションは今が買い時? 物件価格高騰の仕組みを徹底解説

マンション購入を考えてはいるものの、首都圏を中心に続く物資価格の高騰に「とても買えそうにない」と思っている人は多いかもしれません。オリンピック後には価格が落ち着くとの予想も超えた今、この高騰はいつまで続くのか?いつになればマンション購入を考えられるのか?高騰の理由と共に解説します。

物件価格高騰の現状

出典:国土交通省「プレスリリース令和5年10月31日」

 

国土交通省が発表している「不動産価格指数(住宅)(令和4年10月・季節調整値)」によると、リーマンショックが起きた2008年から2011年の東日本大震災まで、物件価格は低迷していました。しかし2013年頃からマンション価格は急激な上昇がはじまり、2010年の不動産価格指数を平均100とした場合 2023年3月には190.1と、2010年と比べておよそ1.91倍にまで上昇しています。

物件価格はなぜ上がる?

そもそも物件価格はなぜ高騰しているのでしょうか?その要因として考えられるのは、主に次の4つです。


人件費や建築資材など建築費の高騰

一つ目の要因は、人件費や建築資材の高騰です。特に建築資材の高騰は激しく、2020年に始まった新型コロナウイルスの流行やロシア・ウクライナ戦争などの社会的背景もあり、上昇は止まるところを知りません。

2023年に入ってようやく上昇は落ち着いたものの、しばらくは高止まりが予想されます。

さらに建築現場では、建築就業希望者の減少による慢性的な人不足に加えて、賃上げ推奨の経済政策が実施されるなど、人件費が下がる要素はありません。

低金利などの金融緩和政策

2008年のリーマンショックにより下落した地価とマンション価格を回復するべく、政府が実施したアベノミクス。
この経済政策によって、日銀による金融緩和がスタートし、住宅ローンの低金利が続いています。

2017年10月から2021年3月までは、住宅金融支援機構のフラット35の金利が年1~2%程度と安定しており、物件購入の後押しとなりました。

住宅ローンが低金利だからこそ、住宅ローン審査基準が以前に比べて緩くなっており、ローンの支払い負担が減っていることで物件購入検討者が増え、需要増加しているのも価格高騰要因の一つと考えられます。


海外の投資家など富裕層による需要増

首都圏は海外投資家などの富裕層からの関心が高く、投資家たちにとって魅力的な街です。実際に、森記念財団都市戦略研究室の48都市を対象とした「世界の都市総合力ランキング」でも、ロンドン・ニューヨークに次ぐ第3位に東京がランクインしているほどです。
大幅な円安の影響やコロナ禍で急速に普及したオンラインでの見学を経て、海外の富裕層たちの購入が活発になったことも影響していると考えられます。

テレワークの普及による住まいへの意識の変化

新型コロナウイルスの流行によって、これまで以上に在宅時間が増え、「住まい」というものに対する人々の意識が変化したことも要因のひとつでしょう。

これまで主に休息のためにあった部屋が、在宅ワークや趣味のためのスペースとしても活用されるようになり、そのためのスペースの確保や環境の整備が必要となりました。

マンションを購入すれば賃貸物件では不可能なカスタマイズもできるため、より快適な暮らしを求めている人たちが購入しているようです。

中古マンションも高騰するのはなぜ?

すでに建築済みの中古マンションなら、人件費や建築費上昇の影響は受けないのでは?と思うかもしれません。

実際には、新築物件価格が高騰すれば 中古物件価格も連動して高騰します。

これは、新築物件を購入できなかった人が 中古物件も購入対象として考えるようになるからで、築浅など条件の良い物件は特にその傾向が強くなります。

物件購入をするべきタイミングは?

物件購入をすべきタイミングには、社会情勢や金融動向を見極めることが大切です。

特に近年は、新型コロナウイルスの流行や震災、戦争など、世界的に大きな流れが起きています。ローンを組んで物件を購入しても、収入が減って支払いが難しくなれば手放すことにもなりかねません。

自身の仕事と照らし合わせ、影響が少ない時こそ購入のタイミングかもしれません。

また、金利動向に関しても同じことです。

2023年1月には最大年3.270%(フラット35の借入金利)まで上昇した長期金利も、2023年4月10日に植田日銀新総裁が就任し、金融緩和の継続を表明しました。

この影響で、住宅金利の上昇傾向は落ち着きを見せていますが、一方で長期金利の上限が0.5%に引き上がったため、以前のように1〜2%の水準まで戻る可能性は低いとも考えられます。金利の上昇が予測される今なら、固定金利で住宅ローンを検討するタイミングとも言えそうです。

まとめ

マンションを購入したいと情報を収集していても、社会情勢や金融動向は移り変わっていくもの。いくら予測を立てていても、その通りに進むとは限りません。不確定要素が多くなっていく将来であったとしても「物件を購入したい」という気持ちが大きいのであれば、自身の状況や、気持ち、タイミングに合わせて購入するのが一番かも知れません。

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