マンションを選ぶ際、立地は重要な条件の一つです。立地条件は資産価値にも大きく影響を与え、実際の暮らしの利便性や満足度にも大きな差をもたらします。多くの人にとって、マンションは大きな買い物のはずです。買った後で後悔しないために、マンション選びのポイントを「立地」から見ていきましょう。
駅近マンションのメリット・デメリット
物件選びで一番人気が高いのは「駅に近いマンション」です。
まずは、駅に近いマンションのメリットを見てみましょう。
通勤・通学がラク
実際に暮らすとなると、居住者は仕事や学校、ショッピングやレジャーなど様々な場所へ出かけるはずです。駅に近ければ、交通機関へのアクセスが簡単で、駅までの移動時間を短縮できます。
特に朝早い出勤や通学の場合には、必要以上の早起きから解放され、朝の時間をゆったり過ごすことができるでしょう。
外出が天候に左右されにくい
晴れた日は少々遠い道のりでも気持ちよく移動できますが、雨や雪が降る日や、風が強い日にはそうはいきません。駅から近いマンションなら、天気を理由に外出を躊躇することなく、いつでも気軽に出かけることができます。
とにかく便利
駅の近くには、様々な商業施設が集まっていることが多いものです。スーパーや飲食店、銀行や病院、郵便局などが近い場所にあれば、とにかく便利です。仕事の帰り道に買い物を済ませるなど、様々な用事を日々の動線の中に組み込むことができるでしょう。
人通りが多く安全
駅の周辺は、電車が走っている時間には人通りがあることが多いでしょう。そのため、帰宅が遅くなりがちな人でも、比較的安心です。
では、逆にデメリットはあるのでしょうか?
騒がしい
駅周辺が発展しており、多くの人が集まるエリアは、その賑わいを「騒がしい」と感じるかもしれません。時間帯や集まっている商業施設の種類によっては、トラブルになる場合もあるため注意が必要です。また、電車や車の音が気になる場合もあります。
価格に対して狭いことも多い
駅に近いマンションは人気が高いため、広さや設備に対して価格が高めに設定されています。
治安がわるくなることも
駅の周辺は、その街の住人だけでなく不特定多数の人が出入りするゾーンです。また、深夜まで営業している商業施設が多い場所では、酔っ払いや若者が集まっていることもあります。
ワンポイントアドバイス
駅の近くはとにかく便利なことが多く、日々の暮らしやすさが格段にレベルアップします。通勤や通学に時間を使いたくない人、暮らしの利便性を追求したい人、早朝の出勤や帰宅が遅くなることが多い人は、駅に近いマンションがおすすめです。
ただし、音に敏感な人やのんびり暮らしたい人には、騒がしすぎる環境かもしれません。また、駅周辺は、再開発が行われる場合もあります。周りの環境がガラッと変化することもあるため、注意が必要です。
駅遠マンションのメリット・デメリット
駅から遠いマンションは、なんといっても環境の良さが魅力です。
さっそく、駅遠マンションのメリットを見てみましょう。
価格が安い
駅から遠いマンションは、駅近マンションに比べると物件価値が下がるため、物件価格が安くなります。駐車場を確保したい場合にも、少ない費用で済むでしょう。また、物件価値を高めるために設備が整っている場合も多く、価格に対して設備が充実した「コスパの良いマンション」を購入できる可能性が上がります。
環境がいい
駅から遠いマンションは、繁華街からも離れ、周辺環境に恵まれていることが多いといえます。公園や広場など、緑豊かな環境であることも多いでしょう。また、建物が密集していることも少ないので、日あたりや眺望にも期待できます。
ファミリー世帯が多い
駅から遠いマンションは、間取りに余裕があるマンションや専用庭付きマンションも多く、子ども部屋の確保がしやすいため、子育て中のファミリー世帯に良い環境が揃っています。また、夜間は人の出入りもグッと減るので、落ち着いた暮らしができます。
次に、デメリットも確認しておきましょう。
通勤通学に時間がかかる
通勤・通学に時間がかかるのはデメリットです。特に駅までバスなどを使う場合には時間を読むのが難しくなるだけでなく、時間や費用が余計にかかってしまうかもしれません。
天候によって不便になる
毎日の通勤を、ウォーキングや自転車での軽い運動と捉えていれば、駅までの道のりは楽しいものです。しかし、雨や雪、台風など、悪天候の場合にはそうはいきません。
周辺にお店が少ない
周辺にお店が少ないのもデメリットです。普段の買い物ができる場所をチェックしておかないと、買い忘れの時など、困ってしまうでしょう。
ワンポイントアドバイス
駅から遠い分、ちょっとした不便は生じるものの、落ち着いた環境で過ごしたい人には駅遠マンションがおすすめです。テレワークなどで外出が少ない人なら、静かで広い部屋で過ごすメリットは大きいでしょう。また、子育て中には子ども達の安全を守るために治安が気になるものです。繁華街から離れていれば、子ども達の目に触れてほしくないものや、危険からもある程度守ることができます。ただし、夜は人通りがグッと減り、暗い道が増えるので気をつける必要がありそうです。
用途地域は住環境を左右する
長く住みたいと考えているのなら、駅からの距離だけでなく、マンションが建って場所の「用途地域」を調べておくと安心です。
用途地域とは、都市計画法の地域地区のひとつで、「その土地をどんな土地にするか」を用途に応じて13地域に分類したものです。この分類によって、建物の用途や大きさが制限されるため、「この街がどんな街に成長していくか」を予想することができます。
事前に、その町の未来を見据えておけば、「静かな環境が気に入っていたのに繁華街になってしまった」と後悔することがなくなります。
用途地域は都道府県や市区町村の窓口や、ホームページから確認することができます。
ワンポイントアドバイス
自分の住むエリアがどんな街に変化していくか知っておけば、将来設計もしやすくなります。用途地域を知っておけば、資産価値の変動も予測できるので、エリアを検討する際には必ずチェックしておきましょう。
まとめ
マンションを購入しようと考えた時から、様々な資料を用意して比較検討することでしょう。
しかし、大切なのは実際に自分の足で歩いてみることです。
人通りや街の雰囲気はもちろん、実際に歩く道の幅や勾配など、資料ではわからないことがたくさんあります。
また、自分や家族の生活スタイルや習慣に合っているかどうかも大切なポイントです。その街で暮らしていくことをリアルにイメージしたり、「どんなことを大切にくらしたいか」とはなしあってみたりすれば、後悔しないマンション選びができるでしょう。
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